ネガティブトレーニングは、筋力トレーニングの一種で、エクササイズのエキセントリック(筋肉が伸びる)フェーズに焦点を当てる方法です。
このタイプのトレーニングは、筋肉の成長と強化に非常に効果的です。
以下では、ネガティブトレーニングの基本原理、利点、方法、および注意点について詳しく説明します。
基本原理
筋力トレーニングには主に二つのフェーズがあります。
コンセントリック(短縮)フェーズ
筋肉が縮むフェーズ。
例えば、ダンベルカールの際にダンベルを持ち上げる動作。
エキセントリック(伸長)フェーズ
筋肉が伸びるフェーズ。
例えば、ダンベルカールの際にダンベルを下ろす動作。
ネガティブトレーニングは、このエキセントリックフェーズに重点を置きます。
筋肉はエキセントリックな動きに対してコンセントリックな動きよりも多くの力を発揮できるため、このフェーズを効果的に活用することで、より高い負荷を筋肉に与えます。
利点
筋肉の成長(筋肥大)促進
エキセントリックトレーニングは、筋肉の微細な損傷を増やし、修復過程で筋肉のサイズと強度を増加させるのに役立ちます。
筋力の向上
重い負荷を扱うため、筋力の向上に大きく寄与します。
柔軟性の向上
筋肉が伸びる動作を強調するため、柔軟性の向上にもつながります。
神経系の適応
重い負荷を扱うため、神経系がより効率的に筋肉を制御できるようになります。
怪我の予防
適切なフォームと制御された動作を重視することで、怪我のリスクを軽減できます。
方法
ネガティブトレーニングを実施するには、以下の手順を参考にしてください。
重い負荷を使用
通常のトレーニングで扱う重量よりも20-30%重い重量を選びます。
例えば、ベンチプレスの場合、通常50kgを扱うなら、ネガティブトレーニングでは60-65kgを使用します。
補助者の利用
重い重量を扱うため、補助者が必要な場合があります。
補助者がコンセントリックフェーズをサポートし、エキセントリックフェーズを自分で制御します。
ゆっくりとした動作
エキセントリックフェーズを3-5秒かけてゆっくりと行います。
例えば、ダンベルを持ち上げた後、ゆっくりとコントロールしながら下ろします。
繰り返し
各セット3-5回の繰り返しを目安にします。
通常のトレーニングのセット数と休息時間を維持しつつ、ネガティブトレーニングを取り入れます。
注意点
フォームの重要性
重い負荷を扱うため、正しいフォームを維持することが極めて重要です。
フォームが崩れると怪我のリスクが高まります。
頻度の調整
ネガティブトレーニングは筋肉に大きな負担をかけるため、頻繁に行うことは避け、週に1-2回程度に留めます。
ウォームアップ
トレーニング前には十分なウォームアップをし、筋肉を適切に準備することが重要です。
リカバリーの重視
ネガティブトレーニング後は筋肉の回復をしっかりと行い、適切な栄養と休息を取るようにします。
具体的なエクササイズ例
ネガティブベンチプレス
- 通常のベンチプレスの設定でバーをラックから外す。
- 補助者がバーを持ち上げるのを助ける。
- 自分でゆっくりとバーを胸まで下ろす(3-5秒)。
- 補助者がバーをラックに戻すのを手伝う。
- これを3-5回繰り返す。
ネガティブスクワット
- バーベルを肩に担ぐ。
- 通常のスクワットのポジションを取る。
- ゆっくりと膝を曲げてしゃがむ(3-5秒)。
- 補助者が立ち上がるのを助ける。
- これを3-5回繰り返す。
締めくくり
ネガティブトレーニングは、筋肉の成長と強化に非常に効果的なトレーニング方法です。
エキセントリックフェーズに焦点を当てることで、通常のトレーニングでは得られない負荷を筋肉に与えます。
ただし、正しいフォームを維持し、過度なトレーニングを避けることで、怪我を防ぎながら効果を最大化することが重要です。
以上、「筋トレのネガティブトレーニングについて」でした。
何か気になった事があれば是非深掘りして下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。